男性は子供産めない。女性は長い髭をはやせない。これって性差でなかなか超えられない壁ですよね。
ここで、たまたま読んだ論文が面白かったので紹介します。
Gneezy, U., M. Niederle, and A. Rustichini. 2003. "Performance in Competitive Environments: Gender Differences." Quarterly Journal of Economics, vol.118, pp. 1049-1074. より
ある課題をこなしてもらいます。その時、一つの課題をこなすと等しくincentiveがもらえる環境を作ります。一方で、課題をこなすことに優劣を付けて課題をより効果的にこなせたらより多くのincentiveがもらえる。つまり、効果的にこなす優劣に順番を付けて順位の高いヒトの方がより多くのincentiveがもらえる、いわば競争原理を環境に持ち込んだわけです。
そうすると前者では、男女差が認められませんでしたが、後者では、優位に(顕著に)女性が男性に比べて劣っていたそうです。つまり、女性は男性に比べて有意に「競争」を好まないと言うことです。
競争原理が働くと女性のパフォーマンスが格段に下がるというわけです。逆に環境に競争原理を持ち込まなければ、実力が発揮できるというわけです。これって、女子大で教鞭を取る身としては、何かにうまく利用できないかと思ったわけです。もし、何かideaがあればお知らせ下さい。
一方で、女性にはやはり「公平」「公正」が重要なんだと改めて認識した次第です。それにしても面白い実験でした。
栄養学を研究していますが、経済学も実に面白い!(笑)
最後に。
管理栄養士の国家試験は絶対評価。120/200以上得点すれば全員合格です。競争原理は働いていないので4年生の皆さん、実力を普段通りに発揮できるはず! そして、全員合格できるはずです。経済学の論文から推察すれば,,, 苦笑。
しかし、良い論文は、面白い!
文責:大久保 剛
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